Sport Optics Guide - 双眼鏡の構造と光学技術

双眼鏡のプリズム

プリズム式の双眼鏡には、逆さまに投影される対物レンズの像を正立させるために、正立プリズムが使われています。またプリズムは、光路を短縮し双眼鏡の全長を短くする効果もあります。
正立プリズムには、ポロプリズムとダハプリズムがあります。

ポロプリズム

ポロプリズムは19世紀中頃にイタリア人のポロによって発明されました。すべての反射面が全反射するため、光の損失がなく加工も容易です。しかし、光路が乙状に折れ曲がるためのスペースが必要となり、ダハプリズムに比べると双眼鏡が大きくなります。

ダハプリズム

ダハプリズムのダハは、ドイツ語で「屋根」と言う意味です。プリズムの一部分が屋根の形をしているところから、この名称がつきました。反射面は全反射ではない面があるため光の損失がおこります。これを解消するための加工やダハ面の精度形成は高度で、精密な技術を必要とします。光路は直線的であるため、スマートでコンパクトな双眼鏡となります。